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コロナによる空室率への影響 - 客観的な空室率の調査に活用できるツール -

空室率は、不動産投資を行っている人や賃貸物件を借りたい人、物件のオーナーなどにとって重要な指標です。数値を比較して賃貸物件のおおまかな需要と供給のバランスを予測することで、エリアマーケティングや融資リスクの見える化などに活用できます。

近年、不動産業界では複数の団体や企業が賃貸物件の空室率を発表しています。しかし、算出方法は団体や企業によって異なるため、正確なデータが得られないケースもあります。

また、「客観的なデータを入手したいけれど、どの算出方法を指標とすればよいか分からない」という不動産関係者もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、東京都における転入超過数と空室率の変動から見る新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の空室率への影響のほか、客観性のある空室率調査に活用できるツールについて解説します。


もくじ[非表示]

  1. 1.空室率とは
  2. 2.転入超過数と空室率の動きから見るコロナの影響
    1. 2.1.東京都の転入超過数の変化
    2. 2.2.東京都の空室率TVIの変化
  3. 3.客観的な空室率の分析に活用できる『ANALYSTAS』
  4. 4.まとめ


空室率とは

冒頭でも説明したとおり、空室率を算出する方法は様々あります。

しかし、算出方法や使用するデータ属性が異なるうえに、部屋に住んでいる人の動きがつねに流動的であることから、それぞれで結果が異なります。

空室率の代表的な算出方法で用いるデータには、以下が挙げられます。


算出方法
戸数ベース
空室 ÷ 総戸数
賃料ベース
空室賃料 ÷ 満室想定賃料
サブリース賃料ベース
1 – サブリース料 ÷ 受取賃料
面積ベース
空室面積 ÷ 総面積


また、空室率は調査を行った時点の瞬間的な数値です。

たとえば、ある物件において、1月の調査時点で10部屋中8部屋に人が住んでいた場合の空室率は”20%”です。しかし、その後3部屋が空室となり、3月の調査時点で10部屋中5部屋しか人が住んでいなければ空室率は”50%”になります。

そのため、特定の稼働日に対する空室率なのか、年間の稼働日に対する空室率なのかによって数値は異なります。

このような理由から空室率は、客観的な評価が難しいといわれています。

空室率の具体的な算出方法や詳細については、こちらの記事をご一読ください。

  意外と知らない空室率のはなし 日本では、空室率は5%という根拠のない値が様々な状況で用いられてきました。しかし、発表元によって空室率の算出方法やデータが異なるため、空室率同士を単純に比較することができないということは意外と知られていません。 株式会社タス



転入超過数と空室率の動きから見るコロナの影響

空室率の動きにはコロナの影響もあると考えられます。ここからは、転入超過数と空室率TVIの動きについて解説します。ここでは、東京都を例に空室率に対するコロナの影響を見ていきます。


東京都の転入超過数の変化

近年、東京都の転入超過数*は、ほかの道府県に比べてつねに突出して多くなっています。

総務省統計局『新型コロナウイルス感染症の流行と東京都の国内移動者数の状況-住民基本台帳人口移動報告2020年の結果から-』によれば、2019年の転入超過数は8万2,982人でした。これは、同年の神奈川県や埼玉県の転入超過数の約3倍に相当する数です。

しかし、2020年の転入超過数は3万1,125人へと大幅に縮小して、両県とほぼ同規模の転入超過数となっています。

転入超過数

画像引用元:総務省統計局『新型コロナウイルス感染症の流行と東京都の国内移動者数の状況-住民基本台帳人口移動報告2020年の結果から-



また、東京都の転入超過数について、初めて緊急事態宣言が発令された2020年4月を見てみると、2019年の転入超過数の半数に縮小しています。その後、5月には転出超過しています。転出数が転入数を超過するのは、外国人を含む移動者数の集計を開始した2013年7月以降で初めてのことです。

2020年6月には転入超過していますが、コロナの新規感染者数が増加し始めた2020年7月から再び転出超過となり、6ヶ月連続で転入超過数が減少しています。

転入超過数

画像引用元:総務省統計局『新型コロナウイルス感染症の流行と東京都の国内移動者数の状況-住民基本台帳人口移動報告2020年の結果から-



さらに、コロナはオフィスの空室率にも影響しています。東京都内のオフィスの空室率は、コロナをきっかけに上昇し続けているとの報道もありました。


*転入超過数とは、各都道府県の“転入者数”から“転出者数”を差し引いた数のこと。

出典:総務省統計局『新型コロナウイルス感染症の流行と東京都の国内移動者数の状況-住民基本台帳人口移動報告2020年の結果から-


東京都の空室率TVIの変化

株式会社タスの2021年11月賃貸住宅市場レポートでは、各都道府県の空室率TVI*は次のように変化しています。

 空室率TVIの推移 (首都圏:過去2年)


初めて緊急事態宣言が発令された2020年の10月と前年の2019年10月を比較すると、東京都全域の空室率TVIは次のように変化しています。

  • 2019年10月:13.14ポイント
  • 2020年10月:13.26ポイント

その後、東京都全域の空室率TVIは2021年7月頃まで上昇し続けています。


また、マンション系(S造、RC造、SRC造)においても、東京都全域の空室率TVIが2020年9月頃から上昇していることが分かります。

 マンション系空室率TVIの推移 (首都圏:過去2年)


これらの結果から、東京都の空室率上昇については、コロナによる外国人の転入減少や帰国等による転出増加も関係しているのではないかと考えられます。


*空室率TVIとは、タスが開発した賃貸住宅の空室指標のこと。民間住宅情報会社に公開された情報を空室のサンプリング、募集建物の総戸数をストックのサンプリングとして算出している。


最新の空室率は、右記レポートよりご確認いただけます。

客観的な空室率の分析に活用できる『ANALYSTAS』

客観的な評価が難しい空室率を算出する際は、分析ツールを活用するのも一つの方法です。

不動産マーケット分析の『ANALYSTAS』は、株式会社タスが独自開発した居住賃貸物件の空室指標“タス空室インデックス(TVI)”によって、空室率という視点で分析が可能です。そのほか、賃料の推移や利回りといった居住賃貸分析、各種指標の分析も実施できます。

エリアマーケティングに欠かせないGIS(Geographic Information System:地理情報システム)を用いて、多面的に視覚化した分析結果のご提供も可能です。

これにより、空室率リスクや賃料単価の下落リスクなどの様々なリスクも可視化できます。

これまでは漠然としていたエリア戦略もANALYSTASによって一目瞭然になります。細かい条件や独自のデータを用いた個別分析も可能ですので、ぜひお気軽にお問合せください。





まとめ

この記事では、空室率の調査について、以下の項目で解説しました。

  • 客観的な評価が難しい空室率の調査
  • 転入超過数と空室率の動きから見るコロナの影響
  • 客観的な空室率の分析に活用できる『ANALYSTAS

空室率は、算出方法や使用するデータの属性によって結果が異なるため、客観的な分析を行うのは容易ではありません。

また、空き家率の上昇や人口減少、転入超過数の減少など、多角的に関わりあって変動するといえます。

空室率に関する客観的なデータを活用して分析を行いたい場合は、ぜひ『ANALYSTAS』の利用をご検討ください。与信管理の充実やエリア戦略の業務効率化に活用できます。

さらに、空室率などの不動産分析と併せて「不動産評価も行いたい」という方は、全国の不動産をだれでも簡単にスピード評価できる『TAS-MAP』についてもぜひご覧ください。



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