今般、株式会社タスは、ANALYSTAS「不動産取引市場規模予測分析レポート」を作成し、地方銀行様に提供いたしました。本レポートは、不動産にまつわる各種オープンデータや、タスが保有しているビックデータをもとに、通常は難しいといわれる不動産市場の将来予測分析を実現したマーケットレポートとなっております。
ご依頼までの経緯や実際の活用方法等も含め、レポートを提供した地方銀行の担当者様にインタビューを行いました。
業種 | 金融機関(地方銀 行) |
私の所属する部署は、東京に拠点を置き首都圏の賃貸用不動産購入資金を融資しています。取扱う物件は、新築などの高額物件よりも、例えば「築20年の木造アパート」のように高い利回りが期待でき、万が一デフォルト※1となった際にも売却できる可能性が高い1都3県を中心に融資付けを行っています。
私自身の業務としては、営業担当者が獲得してきた案件の審査を行うほか、全体の融資推進の判断材料として不動産マーケットの情報収集なども行っています。
今回は主に後者目線の業務で、タスさんにご協力をいただき「不動産取引に関する市場規模予測分析レポート」を作成していただきました。
先ほどお話した通り、マーケット規模に対する適切な人員配置を検討することが当部署の課題でした。
そのようななかで、私が主担当として判断材料となるデータの収集や分析を行っていましたが、ターゲット外のオフィスや新築マンションなどノイズが含まれた不動産全体のデータしか集まらず、目的に対して非常にぼやけた内容となっていました。
私自身、「ターゲットを絞ったうえでマーケットを俯瞰しなければ意味が薄い」と考えておりましたので、特に力を入れている”築20年以上”で”木造・軽量鉄骨造”の”共同住宅”にフォーカスしたデータを収集する事が課題となっていました。
前述したデータ収集の困難さももちろんですが、1番の理由はレポートの恣意性を排除したかったという点です。
我々フロントサイドは「できる限り融資を推進したい」という思いが根底にありますので、自分たちが独自で作成したレポートでは、どうしても推進目線の恣意的な内容となってしまう可能性があります。また、チェックを行う上層部側もそうした先入観をもってしまいます。その点、利害関係のない外部へ依頼する事で「データ収集の困難さ」と「恣意性の排除」という二つの課題を同時に解決できると考えました。
また、もともと当行はTAS-MAPを担保物件の評価資料として活用していましたので、審査部門を含めた行内で「タス評価」は一つの指標・目線として馴染みがあり、データ分析への信頼感があったことも大きな理由の一つです。
まず、前述した”1都3県” ”築20年以上” ”木造・軽量鉄骨造” ”共同住宅”という条件ごとにデータを分析していただき、人口統計などのデータと組み合わせることで「現状でどれくらいの市場規模なのか」「今後どのように推移するのか」を可視化していただきました。
全体として不動産の価値が上がっているのは、昨今の地価上昇を見ても基本的には間違いないと思いますが、そういった感覚ではなくエビデンスとしてしっかりと客観的なレポートをご提示いただけたと思います。
レポートは、大きく下記5項目に分かれています。
それぞれ単にデータやグラフを羅列するだけでなく、抽出条件の解説やデータに基づく考察等もしっかりと記載されておりました。
おかげさまで、本レポートによってターゲットとしているマーケット規模が数値で把握することができましたので、今後の営業戦略を立てるために非常に有効な資料でした。
今回の「不動産取引市場規模予測分析レポート」は、融資を推進する為の"攻め”の材料として提供いただきました。行内で次の課題として、融資管理目線のいわば"守り”の材料となるものが欲しいという声があがっており、実は既にタスさんにも相談をしています。
詳細は現在協議中ですが、「不動産市況の急激な変動をいち早くとらえ、臨機応変な対策をとれる方法」を試行錯誤して頂いているので、どんなレポートに仕上がるのか今からとても楽しみにしています。
また、私自身これまで手探りにデータ収集や分析を行ってきましたが、今回打合せを重ねていく中で「こんなデータの見方もありますよ」といったアドバイスを色々といただき、非常に勉強になりました。
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