営業推進エリア拡大に向けた
マーケット分析

営業戦略にゴールはなく、常にマーケットに合わせた対応が求められる時代です。
不動産担保ローンという商材に即した視点から地域の傾向を捉え、どのようなポイントに重点を置くべきなのか、金融機関様と二人三脚で分析した事例を紹介します。

客観的データとオリジナルのマーケット分析で、経験と勘の営業戦略から脱却

業種 金融機関(地方銀 行)

ーまずは、今回のレポートの目的とポイントについてお伺いします。

前回は、不動産取引市場規模予測分析レポートを作成頂き、人員配置など今後の経営戦略の判断材料に活用しましたが、今回はアパートローンの営業エリアの拡大を目指して、不動産マーケットにおける各市区町村のトレンドを見極める目的で、特に“将来性”に重点を置いて分析を依頼しました。

<前回の取り組み内容はこちらから>

ー営業エリアの拡大を検討したキッカケは?

当行は早くからサラリーマン投資家向けのローンを行っており、これまではいわゆる先行者利益もあって融資件数を伸ばしてまいりました。

また、当行のアパートローンは単純な金利競争ではなく、コンサルティング的な目線で付加価値を高めるという事をコンセプトとしており、顧客との対話に重きを置き、きめ細かい対応をする事で、「時間はかかっても○○銀行でローンがおりた物件は間違いない」という良いイメージを持っていただき、コアなファンを増やしてまいりました。

しかし、近年は同様のビジネスモデルでローンを行う競合が増え、エリア内の優良な物件を取り合うレッドオーシャンとなりつつあり、我々が最も避けたい金利競争に繋がりかねない状況の為、新たな有望なマーケットに営業エリアを広げたいと考えました。

ー“将来性”がエリア拡大のポイントとなるのはなぜでしょうか。

当行のアパート案件は基本的に長期のローンとなることが多い為、将来的な視点で判断する必要があり、持続的推進が可能なエリアかどうか、地域の将来性を可視化して判定基準に据えたいと考えたからです。

ー具体的にどのように将来性を可視化したのでしょうか。

詳細については申し上げられませんが、「将来人口」「人流」「潜在力」「交通量」「繁華性」の各項目で分析いただき、それぞれに設定した閾値を超えた数により融資を推進するかどうかを判断しています。

これまでもエリアの将来性に着目したいという考えは部内でも立ち上がった事がありましたが、判断基準や閾値をどのように設定すればよいかに苦慮していました。今回、タスのビッグデータと分析により、納得感のある評点になったと感じています。

ー最後に、レポートの反響や今後の方針について教えてください。

おかげさまで、融資営業エリアの拡大が決定し、これまでエリアの問題で実行できなかった優良な物件に対してもアパートローンを推進できるようになりました。

また、タスとは市況環境の分析や営業サポートなど継続してご協力いただける体制が整いましたので、今後は期中管理にも目線を置いて、既存融資物件とビッグデータを組み合わせた分析をしていければと考えています。

関連事例