
富裕層のターゲティング
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富裕層ターゲティングとは?
自社商品がターゲットとする顧客に、どのようにアプローチすれば良いのか、日々悩んでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。顧客の姿「ペルソナ」を表す指標として、「世帯年収」は重要な切り口と言えるでしょう。特に、金融機関では既存業務のマーケットが先細る中、「富裕層」をターゲットとして営業戦略に取り組む事例も増えてきております。
「富裕層」をはじめ、ターゲットとする顧客セグメントは、地域的にまとまって居住していることは少なくありません。そのような地域を絞り込むことによって、セールスマンによる訪問営業や、ポスティングをはじめとする広告宣伝を効率的に実施することが可能となります。
今回は、現在開発中のBIツール画面の一例をお見せしながら、富裕層のターゲティングを行う方法をご紹介いたします。
マクロな視点のターゲティング―全国単位での分析-
一人あたりの課税所得額を市区町村単位で日本地図に示しました。(図1)
図1 一人当たりの課税所得額[全国]
課税所得額は、給与収入だけでなく、株や不動産などあらゆる収入を合計したものから構成されており、個人のトータル収入を把握する上で都合の良い指標といえます。一人当たりの課税所得額が大きいエリアは、おおむね富裕層の割合が大きいエリアと言えます。
上記のようなエリアは、その立地条件から主に4つのパターンに分けられそうです。
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4.を除けば、上記のエリアは「富裕層」をターゲットとする企業にとって、見込み顧客が多く居住している地域と考えられます。自社商品の地域別シェアや、支店ごと営業数字等と比較することで、見込み顧客数に対して、自社が実際にどの程度アプローチできているのか、実態を解明することができます。
ミクロな視点のターゲティング①―市区町村内の分析-
マクロな視点で広域の営業戦略を立案した後には、各支店や営業エリア単位でより詳細なアプローチ方法を決定していかなければなりません。限られた人的リソースを最大限に活用するために、「データ」に基づいて次のアクションを考えてみましょう。
図2に、広島県西区の年収300~400万円世帯のヒートマップを示します。ヒートマップ上の色が赤いエリアは、周辺に比べて当該年収ランクの世帯数が多いことを表しています。自社の商品が、当該年収のような中間層への反響が良い場合は、こうした地域をターゲットに販促活動を行い、反響測定を試みるのも一案です。
図2 広島県西区 ヒートマップ(年収ランク300~400万)
図3 広島県西区 ヒートマップ(年収ランク1500万~)
図3に、広島県西区の年収1500万円~世帯のヒートマップを示します。高所得者層は、中間層に比べてより海に近いエリアに多く存在するようです。富裕層向けの商品を扱う企業が、自社商品の販促用のポスティングを行うためには、こうした海に近いエリアで行う方が高い反響が得られるかもしれません。
ミクロな視点のターゲティング②―地区別の分析-
もしあなたがフルコミッションの生命保険の営業マンだとしたら、限られた時間の中で効率良く富裕層を開拓していきたいと思うことでしょう。前項で、海に近いエリアに富裕層が多いという情報を得たあなたは、広島県西区の海に近い「井口地区」に目ぼしをつけて、年収ランクを調べることにしました。(図4)
図4:年収別世帯数詳細マップ 広島市西区 井口地区
上段の年収別世帯数詳細マップには、町丁目ごとの富裕層密度が表示され、色が濃いほどそのエリアに富裕層人口が密集していることを示しています。また、下段の年収階級別割合(地区別)には、選択した地区ごとに、どの年収ランクの割合が大きいのか確認できます。
今日の外回りは、「井口鈴が台1丁目」に決めることにしました。ターゲットとなるハイクラス層の割合が高く、エリアも比較的狭いことから、効率良く富裕層開拓を進めることができそうです。
おわりに
今回は、現在開発中のBIツール画面を交えながら、富裕層のターゲティング方法とその活用についてご紹介しました。不動産マーケット分析「ANALYSTAS」では、ダッシュボードを用いたデータに基づく意思決定のご支援をさせていただいております。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。