敷金・礼金のない物件の分布 ~東京23区~
★はじめに
今回は東京23区の2022年に募集された賃貸募集データを対象として、「敷金なし」「礼金なし」「敷金&礼金なし」の分布を条件ごとに見ていきたいと思います。
■23区の敷金なし割合・礼金なし割合・敷金&礼金なし割合
まず、条件を絞り込まずに東京23区別の「敷金なし物件の全体に占める割合」「礼金なし物件の全体に占める割合」「礼金&敷金なし物件の全体に占める割合」を見てみましょう。
図1 23区別敷金なし割合・礼金なし割合・敷金&礼金なし割合
図1から、敷金より礼金のない物件の方が多く、城東エリアでは特に敷金も礼金もない物件が比較的多いことが分かります。
■敷金&礼金なし割合 ~アパート・マンション別~
続いて、アパート・マンション別の「敷金&礼金なし割合」分布を見てみましょう。
※アパート:木造 or 軽量鉄骨造 マンション:鉄骨造・RC造・SRC造
図2 23区別 敷金&礼金なし割合 アパート・マンション別
全体的にマンションの方が敷金&礼金なし割合が低いことが分かります。特に城西エリアではその差が大きくなっています。
■敷金&礼金なし割合 ~築年数別~
次に、築年数別を見ていきましょう。今回は ①新築 ②築2~5年 ③築6~10年 ④築11~15年 ⑤築16~20年 ⑥築21~25年 の6つの区分に分けてみます。
下図では左上から右下にかけて築浅⇒築古の条件になります。
図3 23区別 敷金&礼金なし割合 築年数別-
全体で見ると、築浅の物件の方が敷金&礼金なし物件の割合が大きいことが分かります。
特に葛飾区・足立区・板橋区などで顕著です。
■敷金&礼金なし割合 ~面積別~
最後に面積別の分布です。
面積は ①~20㎡ ②21~40㎡ ③41~60㎡ ④61㎡~ の4区分です。
図4 23区別 敷金&礼金なし割合 面積別
図から、面積が小さい方が敷金&礼金なし割合が高いことが分かります。
こちらも城東・城北エリアで顕著ですね。
★おわりに
東京23区の敷金・礼金なし物件の分布を条件別に見てみた結果、築浅の物件や面積の小さい単身向け物件で敷金や礼金がない物件が多いことが分かりました。
初期費用は少ないほうがもちろん嬉しいですが、敷金がなかった場合、退去時の原状回復費用は実費で請求されることがほとんどです。つまり、先に敷金で払うか、退去時に後払いするかということですね。
このようなことも踏まえて、家選びの際はトータルコストを意識してみても良いかもしれません。
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