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到達圏分析から分かる!便利な地域・不便な地域

■summary

  • 到達圏分析とは?

  • 東京23区で駅から最も遠い場所は?

  • 東京23区・駅近エリアが多い順ランキング!


◆到達圏分析とは?

不動産を選ぶときに、物件の周辺の雰囲気を知るために歩いて確かめたことのある人は多いでしょう。通勤経路となる最寄り駅近辺にどんな店や施設が使えるかどうかも、その人のライフスタイルによっては大事な要素となります。こうした地域の利便性に関する情報は不動産評価のみならず、出店戦略や営業戦略において重要ですが、ビジネスの現場で「客観的に」「スピーディーに」分析するためには、どうすれば良いでしょうか。

 比較的簡単な方法として、あるポイントを中心に円を描くという方法があります。円の中にある施設の数が多いほど、便利であるといえます。また、駅から円を描くことで、距離感をつかみやすくなります。ところが、実際の街には川や線路、大きな工場などで通れない場所が多く、本当は綺麗な「円」になるはずがありません。それを解決するために、道路上の距離だけを測り、東西南北すべての方向に同時間で到達できる範囲を表したものが「到達圏」、英語で”Isochrone map”と呼ばれます。

 まず円と到達圏を比較するために、都営新宿線・東京メトロ半蔵門線住吉駅周辺の徒歩10分圏内を見てみましょう。(図1:分速80mで計算)整然とした碁盤の目のようになっているために、十字方向に長く全体として菱形のように見えますね。続いて、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅周辺を見てみましょう(図2)。多摩川に隣接しているために、実際の10分圏内は案外狭いようです。

図1 住吉駅徒歩10分到達圏

図2 二子玉川駅徒歩10分到達圏


◆東京23区で駅から最も遠い場所は?

 駅からの到達圏を使って、10分圏内、20分圏内とその範囲を広げていきましょう。(図3・図4)圏域を設定することで、エリアをランク分けすることができます。不動産評価の分野では、駅からの徒歩分が増加するごとに、どの程度家賃が下がるのかといった分析に用います。圏域同士が重なっているところが多数ありますが、これらは「2駅以上利用可」のエリアを表しています。圏域と他のデータを重ねて分析することも可能であり、「○○駅15分圏内の推定所得××円の人口」といったターゲットとなる市場規模の調査にも役立てられます。(詳しくは、賃貸住宅市場レポート10月号をご覧ください。)

図3 東京23区 駅到達圏:10分

図4 東京23区 駅到達圏:20分

 逆の観点から、到達圏を拡大した際に取り残されたエリアは、駅から遠く離れた利便性に劣るエリアということになります。計算上では、町丁目の全域が駅から30分以上離れたエリアは、練馬区大泉学園町八丁目・九丁目、葛飾区西水元三丁目~六丁目、水元五丁目、東水元五丁目・六丁目が該当します。(図5)この中のどこかに23区内で一番駅から遠い地点がありそうです。(注1)

図5 東京23区 駅到達圏:30分


◆東京23区・駅近エリアが多い順ランキング!

 最後に、東京23区の中で駅近エリアが多い区をランキングで紹介します。駅近エリアを駅からの到達圏が10分以内であるエリアとして、各区の面積のうち10分以内のエリアが占める割合が大きい順に並べました。(図6)ランキング上位の顔ぶれは、新宿区、豊島区、千代田区と、それぞれ新宿駅、池袋駅、東京駅といったターミナル駅があるエリアが並んでいます。第3位の千代田区は10分圏外のエリアの大半を皇居が占めているため、実質的には新宿区と並ぶといって差し支えないでしょう。ワースト1位から3位はいずれも城東エリアの足立区、葛飾区、江戸川区がランクインしており、交通利便性にはやや劣るエリアといえそうです。


図6 東京23区・駅近エリアが多い順ランキング


◆おわりに

 不動産マーケット分析「ANALYSTAS」では、こうしたオープンデータを含むあらゆるデータの利活用・組み合わせ方法をご提案させていただきます。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

注1:東京都に存在する駅からの距離を計測した。他県に存在する駅は考慮していない。国勢調査(2020)において人口が0人のエリアは対象外。



四釜 想
四釜 想
株式会社タス データソリューション部
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