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首都圏の市区町村をクラス分けしてみた

はじめに

オープンデータを使って“さいたま市10区”をクラス分けしたところ、4つのクラスに分けられました。

埼玉県民の皆さんは、なんとなく「そんなもんかな」と納得されているのではないでしょうか。しかし県外の方は「ちょっと何言ってるかよくわかんないですね」と思われる方もいるでしょう。


ということで今回は、首都圏(一都三県)の167市区町村を8クラスに分けてみました。

皆さんの頭の中にある、「ここはあの地域と似ているだろう」、「周りに比べて〇〇市はちょっと色が違うよな」というイメージを、データを基に紐解いていきたいと思います。


■使ったデータ

今回クラス分けに用いたデータは図1の通りです。「人の情報」から「価格の情報」、「通勤時間の情報」も入れてみました。

ちなみに、一都三県全体の市区町村数は約250地域あるのですが、いずれかのデータで欠損値がある市区町村を省いたところ、町村部がごっそりなくなって、結果167地域になりました。

図1 使用したデータ

※総務省『令和2年国勢調査』『令和2年度個人の市町村民税の納税義務者等に関する調』『平成30年住宅・土地統計調査』、国土交通省『令和2年地価公示』からタスが作成


■データの傾向

データ傾向として、基本統計量も見てみましょう。市区町村ごとの値の関係を表にまとめました。

図2 基本統計量(167市区町村)

少し見づらいかもしれませんが、表の中にデータバーを表示してます。このデータバーを見てみると、3つのパターンがあることが分かります。


【パターン①】最大値が突出している 「人口」「課税対象所得」など

  • 例えば「人口」では、特定の地域はめちゃくちゃ人が多いということを表しています。


【パターン②】データバーがだいたい揃っている 「人口_男性割合」「平均年齢」など

  • このようなデータはどの地域でもだいたい同じような値であることが分かります。


【パターン③】:等間隔な段差 「高齢者割合」「通勤時間中位数」など

  • 例えば「通勤時間中位数」では、通勤時間と市区町村数が比例関係にあると考えられます。
  • 下図のように、通勤時間の短いエリア(淡い青)の数は少なく、通勤時間が長く(青が濃く)なるほど、該当する市区町村数が多くなるという関係ですが、区分ごとの間隔がほぼ等間隔なことが分かります。


データの傾向を見てみると、「平均年齢」のような “どの地域でもだいたい同じ” データよりも、「人口」や「平均地価」のような“極端な”データの方が、クラス分けに大きく影響しそうな感じがします。


■クラス分けしてみた

さて、一都三県の167市区町村を8クラスにクラス分けした結果が下図になります。

クラスは平均住宅地価が高い順に並び替えてあります。

図3 クラス分け結果

想定していたように、「都心どうし」「郊外どうし」で同じクラスになっている地域もありますが、パッと見かなり混在していますね。


ここで使用した14種のデータについてクラスごとの平均値を見てみましょう。

図4 クラスごとの平均値

「クラス1」は他のクラスとはハッキリと異なっていることが分かります。

また、やはり「人口」や「人口密度」、「課税対象所得」などの【パターン①】に類するデータがクラス分けに大きく影響しているようです。


■クラスごとの特徴

それではクラスごとの特徴を見ていきましょう。独断と偏見でクラス名もつけてみました。


クラス1 「メトロポリタン」

クラス1は人口と世帯数が多く、課税対象所得も地価も高い。まさに都心のクラスです。

東京23区からは葛飾区のみ仲間外れです。可哀想ですね。


ここで疑問になるのが八王子市の存在ですが、

・人口や世帯数が多い

・課税対象所得は城北エリアよりも高い

・都心まで通勤しないので通勤時間が近隣エリアに比べて短い(都心エリアに似ている)

などの理由で23区列強と同じクラスに分けられていると推察できます。


また、埼玉県からは「川口市」、千葉県からは「市川市」「船橋市」、神奈川県からは「横浜市 中区」「川崎市 川崎区」が選ばれました。


クラス2 「ベッドタウン」

クラス2に分けられた地域は都心にくっついていることが分かります。

またこのクラスは、「人口」や「課税対象所得」、「平均地価」などがクラス1に次いで2番目に高い値になっており、都心のベッドタウンとしても機能していることがイメージできます。


藤沢市は、神奈川県の中で「課税対象所得」が最も高く、この点が評価された可能性があります。


クラス3 「独り立ち都市」

クラス3に分けられたエリアは都心から若干離れた位置に分布していますが、主要沿線やターミナル駅があり、通勤先や通学先などのハブとして機能している“独り立ちした”エリアのようです。


クラス4 「閑静な住宅地」

クラス4に分けられたエリアは、クラス3の「独り立ち都市」の近隣に分布しています。

背の高い建物が少なく、畑や田んぼがちらほら見えてくるでしょう。


クラス5 「だいたい車社会」



クラス5に分けられたエリアは、クラス4より少し郊外に位置しており、山間部が含まれているエリアも若干あります。

住宅のほとんどが低層なエリアで、このあたりからだいたい車社会になっていることが考えられます。


クラス6 「地方観光と空港」

このクラスは、少々特殊なクラスになっています。

まず、「図4(クラスごとの平均値)」を振り返ってみると、「平均地価」は上から6番目ですが、「人口」や「課税対象所得」、「総戸数」は3番目に大きい値になっています。

所属するエリアを見てみると、鎌倉市や川越市の地方観光都市や、成田市や富里市など空港の近隣地域が選ばれています。

つまり、「郊外だけど特殊需要がある」という点が加味されているということが考えられます。


柏市などは特に空港があるというわけではないですが、都心直通のTXライナーの各駅周辺など、「局地的に人と建物が集積しているものの、面積が大きい分、裾野が広い分布になっている」点が、同じ特徴をもつエリアと分類された可能性があります。

この後のクラス7やクラス8よりも特定のポイントがとんがっているという感じですね。


クラス7 「まぁ田舎」

マップを見てわかる通り、このクラスは都心まで相当の距離があり、「通勤時間中位数(図4)」もクラス1より短くなっている(38分)ことから、近隣地域までしか通勤しないようですね。

エリアの半分以上は農地や山間部が占め、幹線道路は通っていますが、鉄道のアクセスは心許ないという特徴があります。


クラス8 「郊外」

クラス8は今回の対象地域で一番外側の地域が属するクラスになります。

住居の4分の3以上が持ち家で、3人に1人が高齢者という特徴があります。


おわりに

今回は首都圏(一都三県)の167市区町村を8クラスに分けてみました。

皆さんのイメージとどれくらい合致したでしょうか? また、新たな気づきはあったでしょうか?


個人的には、23区のクラス分けがもう少しバラけて欲しかったです。恐らくエリアの粒度を町丁目まで細かくすれば、より局所的な分析ができると思います。

ただ、よく知らない地域(個人的に千葉市など)に興味をもつきっかけとしては面白い分析だったかなと思います。


不動産マーケット分析「ANALYSTAS」では、さまざまなデータに即した利活用・組み合わせ方法をご提案させていただきます。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。


【付録】都道府県ごとのクラス分け地図

〇東京都

〇埼玉県

〇千葉県

〇神奈川県



生田 遼羽
生田 遼羽
株式会社タス データソリューション部
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