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与信調査とは? 必要性や流れ、各調査方法を解説

新たな取引先の開拓は、企業の事業継続に欠かせません。ただし、新規開拓には利益が拡大するチャンスとともに、回収不能な債権を抱えてしまうリスクも含んでいます。

このようなリスクを回避するためにも、取引先企業の与信調査は不可欠です。企業価値を適切に判断することで、安定した取引ひいては企業の成長につながります。

この記事では与信調査の必要性や流れ、調査方法について解説します。


もくじ[非表示]

  1. 1.与信調査とは
  2. 2.与信調査の必要性
    1. 2.1.支払い能力を確認する
    2. 2.2.支払い意思を確認する
  3. 3.与信調査の主な流れ
  4. 4.各調査方法
    1. 4.1.内部調査(社内調査)
    2. 4.2.外部調査
      1. 4.2.1.①検索調査
      2. 4.2.2.②官公庁調査
      3. 4.2.3.③側面調査
    3. 4.3.依頼調査
    4. 4.4.直接調査
  5. 5.与信調査を行う上での注意・留意事項
    1. 5.1.定量的な基準で判定
    2. 5.2.定性的な基準で判定
  6. 6.まとめ
    1. 6.1.不動産評価システム『TAS-MAP』


与信調査とは

与信調査とは、一般的に商取引の際に相手方の企業が信用に値するか見極める調査を指します。様々な角度で企業を調査し、取引相手として問題がないかを確認するために行われます。(信用調査と呼ばれることもあります。)

最近では、知名度が高い大企業だとしても“絶対”はありません。順調に取引をしていても、突然倒産してしまうことも考えられます。

長期的に安定した取引を行うためには一時的な業績だけで判断せず、長期的な視点で適切に判断する必要があります。




与信調査の必要性

取引先の経営状態が厳しくなったり、倒産したりすることで代金を回収できなくなる“焦げ付き”を起こさないためにも与信調査は必要です。その必要性について、以下でさらに詳しく解説します。


支払い能力を確認する

企業間取引では、商品・サービスの提供と代金の支払いが同時ではありません。多くの企業が月末に請求書を発行して翌月に代金を支払ってもらいます。

企業における与信調査は、取引先が契約どおりに代金を支払ってくれる企業かどうかを調査するために行われます。

もし、取引先が倒産してしまえば、回収不能な債権を抱えてしまうこととなり、自社の損益に影響を及ぼします。

また、相手の支払いが遅れると、直接的な損益だけではなく長期的な計画にも影響することがあります。この影響を受けて自社事業のキャッシュフローが悪化すれば、業界内での自社の評判が落ちてしまうことも懸念されます。


支払い意思を確認する

与信調査の情報は、取引先が代金不払いを起こした際に資産の仮差押えや仮処分を申し立てるために必要となります。

はじめから代金を支払わないつもりで取引を持ちかけるケースや、架空の会社で実際には存在しないというケースも発生する可能性があります。こうした取り込み詐欺を未然に防ぐためにも与信調査は不可欠です。



与信調査の主な流れ

与信調査にはいくつかの方法がありますが、基本的な流れは次の通りです。

  1. 内部調査
  2. 外部調査(官公庁調査・検索調査)
  3. 直接調査

まずは、内部調査で社内にある情報などから必要なものを収集します。次に、外部調査として官公庁調査・検索調査を行います。最後に、最終段階として取引先へ足を運んで行う直接調査を実施します。

外部の調査機関に委託することで、より確実な与信調査を行うことも可能です。



各調査方法

与信調査には、内部調査(社内調査)・外部調査・依頼調査・直接調査の4つの方法があります。それぞれの概要や実施方法について、以下で解説します。


内部調査(社内調査)

社内にある情報を集めて判断する調査方法です。たとえば、経理部から入手した過去の取引情報や資料、営業部に過去の商談について確認するなどの方法が挙げられます。

自社内のリソースで行うため、外注費用は発生しません。一方で、過去の情報を用いて判断する方法であるため情報が限られてしまいます。


外部調査

外部調査には以下の3つの方法があります。


①検索調査

取引先の情報をインターネット上で調査する方法です。

取引先へ直接確認しなくても簡単に貴重な公開情報を手に入れられるという利点があります。公式ホームページやSNSの情報はもちろん、口コミや代表者名を検索することも検索調査の一つです。


②官公庁調査

官公庁の登記情報から経営状態を調査する方法です。不動産登記簿では、所有権の取得や移転、抵当権の状況を確認できます。


③側面調査

直接調査の情報が正しいかを裏付けするための調査です。

対象企業における他の取引相手や金融機関、拠点住所のオーナーなどへのヒアリングを行い、直接調査で得た情報をより確固たるものにします。


依頼調査

調査の代行を依頼する方法です。

自社のリソースで十分に与信調査ができない場合や第三者に客観的に調査してもらうことで、自社の調査内容を精査し与信調査を強固にする目的で行います。


直接調査

取引先の企業へ直接アプローチする調査手法です。

実際に取引先企業の雰囲気や従業員が働く様子などを確認できます。一方、直接的で相手に対してマイナスの印象を与えるおそれもあるため、慎重にコミュニケーションを取ることも大切です。なお、直接調査は取引先への訪問のほかに電話やメール、FAXを用いる方法もあります。



与信調査を行う上での注意・留意事項

与信調査では、定量的な基準で判定する部分と定性的な基準で判定する部分がありますが、どちらか一方ではなく双方を見て判定することが重要です。


定量的な基準で判定

財務状態や収入力は、直接的に与信枠の判断に利用できます。損益計算書や貸借対照表を活用して割り出せる基準は、以下のとおりです。

  • 自己資本比率:全体に占める自己資本比率が多ければ多いほど、資本の価値変動が少なく盤石な経営状態と判断できる
  • 流動比率:1年以内で現金化できる有形資産が負債をどのくらい超えているかによって支払い能力を判断できる


定性的な基準で判定

数字では測れない情報を定性情報といいます。定性的な基準で判定できることとして、以下のような事項が挙げられます。

  • 経営者および経営陣、取引先の技量や社会的信頼性
  • 業界の将来性



まとめ

企業の経営状況や収益性・信頼度などを図るために行われる与信調査ですが、与信の判定を下す際には、自己資本比率や流動比率など数値化できる定量的な基準に加えて、経営者や経営陣の社会的な信頼性、業界の将来性など定性的な基準も用いられます。

ただし、どれほど多くの情報が得られたとしても、情報が古く信頼性も低い場合などは正しい判断をすることはできません。

また、与信調査は、取引を始めるときだけでなく継続して行う必要があります。日々変化する市場に合わせて常に新しい情報に更新しなければ、突然取引先が倒産してしまい回収不能な債権を抱えてしまうことも考えられます。

このようなリスクを回避するためにも、正しく企業の価値を把握することが大切です。


不動産評価システム『TAS-MAP』


企業価値を知るための指標の一つとして“不動産評価額”も挙げられます。有形資産の一つである不動産を所有している企業であれば、不動産の価値で対象企業の資産状況が安定しているかどうかを判断できます。

しかし、不動産の価値を把握するには、専門的な知識が必要です。外部に依頼した場合でも、多くのコストや調査期間が発生します。

コストを抑えて継続的な与信調査を行うには、不動産評価システムの活用も有効です。

株式会社タスの『TAS-MAP』は、スピーディーに不動産評価を行えるサービスです。外部に調査依頼する場合に比べてコストを抑えられるほか、完全なシステム化により専門的な知識も不要です。

損益計算書や貸借対照表だけでは見えない情報を浮き彫りにすることで、正しく企業の価値を把握でき、回収不能といったリスク回避に役立ちます。

不動産評価を効率的に行って今後の取引に役立てたいとお考えの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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