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公示地価・基準地価・路線価の違いは? それぞれの特徴を詳しく解説

金融機関では、融資時の査定やアセットマネジメントにおいて、不動産の担保価値を正確に把握しておく必要があります。

建物の価値は築年数、耐震性、耐火性、設備の機能性などの個別的要因で決まります。しかし、すでに完成している建物とは違い、土地の価格はさまざまな要因で変動するため、正確に算出する際は公的機関が公表する価格を基準にします。

そこで本記事では、土地の価格を決めるベースとなっている公示地価・基準地価・路線価の特徴と違い、さらに2022年の公示地価の動向について紹介します。


もくじ[非表示]

  1. 1.公示地価・基準地価・路線価の違い
  2. 2.公示地価・基準地価・路線価の詳細
    1. 2.1.公示地価
    2. 2.2.基準地価
    3. 2.3.路線価
  3. 3.2022年の公示地価
  4. 4.まとめ


公示地価・基準地価・路線価の違い

公示地価・基準地価・路線価は、いずれも公的機関が発表している土地の価格を表す用語です。

ここでは、それぞれの調査機関や価格の算出方法などの違いを一覧で紹介します。



公示地価
基準地価

路線価

調査機関
国土交通省
都道府県
国税庁
算出方法
1地点につき不動産鑑定士2名以上による評価
1地点につき不動産鑑定士1名以上による評価
公示地価・基準地価の約8割
評価時期
1月1日時点
7月1日時点
1月1日時点
発表時期
3月
9月
7月1日
調査地点
標準地1m2当たりの価格
基準地1m2当たりの価格
道路に面する土地の1m2当たりの価格

国土交通省『地価公示の見方について』『地価公示鑑定評価書の用語等の説明』『ここがポイント地価公示:POINT-3公示価格ってどんな価格なの?』/総務省統計局『17C-Q06 路線価』『17C-Q03 基準地価格(都道府県地価調査価格)』を基に作成



公示地価・基準地価・路線価の詳細

金融機関では、融資金額を決める際に不動産の担保評価額を参考にします。

担保評価額は、不動産をはじめとする物的担保を客観的かつ合理的な方法で評価して算出する評価額です。担保評価額の算出において、公示地価・基準地価・路線価を参考にする方法もあります。


ここからは、公示地価・基準地価・路線価それぞれの特徴について詳しく解説します。


公示地価

公示地価とは、日本全国各地に点在する土地の1m2当たりの正常な価格のことです。公示価格とも呼ばれます。

土地鑑定委員会から任命された2人以上の不動産鑑定士が鑑定を行い、それぞれの鑑定結果を基にして評価が行われます。なお、公示地価では『都市計画法』の第4条第2項で規定される都市計画区域内が主な対象です。

調査主体は国土交通省土地鑑定委員会で、毎年1月1日時点の評価が3月に発表されます。たとえば、ニュースで「都市部で地価が上昇している」といわれる場合の“地価”は公示地価を参考にしています。

社会や経済活動における制度インフラになっている公示価格は、主に以下の役割を担っています。

  • 一般の土地の取引に対する指標
  • 不動産鑑定の規準
  • 公共事業用地の取得価格算定の規準
  • 土地の相続評価および固定資産税評価の基準
  • 国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格審査の規準

また、『地価公示法』第1条の2では、次のように示されています。

都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行なう者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行なうよう努めなければならない。

引用元:e-Gov法令検索『地価公示法


金融機関が土地の担保価値を把握したい場合は、近隣の公示価格を参考にできます。


出典:国土交通省『地価公示鑑定評価書の用語等の説明』/e-Gov法令検索『地価公示法』『都市計画法


基準地価

基準地価とは、都道府県知事が選定した基準地の価格のことです。『国土利用計画法施行令』第9条では、毎年1回、1人以上の不動産鑑定士が価格を審査、判定することが示されています。都道府県知事は、毎年7月1日時点の基準地の正常価格を9月に公表します。

公示地価と異なる点は、対象に都市計画区域外も含まれている点と不動産鑑定士が1人以上になる点です。公示地価と比較して評価対象の範囲が広く、郊外の土地でも価格を確認できます。

公示地価と基準地価の価格に大差はありませんが、発表時期がずれているため、価格推移を把握する際にも活用できます。


出典:e-Gov法令検索『国土利用計画法施行令』/総務省統計局『17C-Q03 基準地価格(都道府県地価調査価格)


路線価

路線価とは、路線に面した標準的な宅地の1m2当たりの評価額です。国税局が公表する相続税路線価のほか、市町村が公表する固定資産税路線価があります。

相続税路線価は、贈与税の税額を算定する際の基準となり、公示地価の8割程度に評価されます。一方の固定資産税路線価は、市町村長が固定資産税を課税する際、宅地を評価するための価格です。

相続税路線価の調査主体は国税庁で、毎年1月1日時点の評価が同年7月1日に発表されます。日本全国の路線価図は国税庁のホームページから閲覧可能です。


出典:財産評価基準書『路線価図の説明』/総務省統計局『17C-Q06 路線価』/国税庁『令和3年分 財産評価基準を見る



2022年の公示地価

国土交通省のホームページでは、毎年の公示地価が公表されています。2022年の地価は以下のとおりです。


▼2022年の公示地価



全用途平均
住宅地
商業地
全国
0.6
0.5
0.4
3大都市圏
0.7
0.5
0.7



東京圏
0.8
0.6
0.7
大阪圏
0.2
0.1
0.0
名古屋圏
1.2
1.0
1.7
地方圏
0.5
0.5
0.2


地方4市
5.8
5.8
5.7
その他
▲0.1
▲0.1
▲0.5

国土交通省『令和4年地価公示の概要』を基に作成


令和4年公示地価

画像引用元:国土交通省『令和4年地価公示の概要


2020年からの動向を見ると、全用途平均・住宅地・商業地、これらすべての地価が2年ぶりに上昇していますが、これは新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が緩和してきたことが理由であると考えられます。

特に、住宅地は低金利環境の継続や住宅取得支援施策による効果もあり、住宅需要が回復して地価が上昇しています。

また、都心近郊部では店舗やマンション用地の需要が高まり、多くの地点で上昇しています。

しかし、コロナの影響で国内外の来訪客が回復していない地域や飲食店が集まる地域では、地価の下落が継続しています。


全国で住宅地・商業地の地価変動率が上昇した県は以下のとおりです。


住宅地
北海道、宮城県、山形県、福島県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、京都府、大阪府、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、沖縄県
商業地
北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、岡山県、広島県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、沖縄県

国土交通省『都道府県別地価変動率』を基に作成


住宅地は2021年から12の都道府県、商業地は8の都道府県で上昇が見られました。



まとめ

この記事では、公示地価・基準地価・路線価について、以下の項目で解説しました。

  • 公示地価・基準地価・路線価の違い
  • 公示地価・基準地価・路線価の詳細
  • 2022年の公示地価

公示地価・基準地価・路線価は、いずれも適正な地価の形成に役立てるために公的機関が公表する土地の価格です。


金融機関では、担保評価額を算出する際にこれらを指標とすることもありますが、専門部署へ依頼することも多く、情報を収集するのに手間がかかります。

できるだけ早く評価額を算出したい場合は、不動産評価サービスを利用するのも一つの方法です。

不動産評価サービスの『TAS-MAP』は、完全なシステム化によって業務の属人化を解消できるだけでなく、担当者の業務負担も大きく軽減できます。

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