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2023年の不動産関連課題 異次元の不動産市場分析をやらないと


経済学からみた不動産市場(第46回)

浅田義久
日本大学経済学部教授

 

 明けましておめでとうございます。うさぎ年2023年になりました。年末,やや忙しくコラムも書けない師走でした。

 さて、今年は不動産市場にとってはかなり難しい,検討するのが難しいと言う意味ですが,そういう年になりそうです。

 まず,従来から分かっていたこととして,2022年は生産緑地問題があり、都心で大量に住宅用地が供給されるのではないかと危惧され,2023年問題として都内の再開発でオフィスビルの大量供給が確実に起き,2024年には相続登記の義務化が決まっています。また,2022年6月に賃貸住宅管理業法が施行され,いわゆるサブリースの保有riskに変化が出てきます。そして年末の12月12日に家賃保証会社が家賃滞納での追い出し条項が違法だという最高裁判決が出ました。これに対して,借家人への影響は限定的だという指摘も出ていますが,これも借家の保有risk自体に影響を及ぼします。

 それに加えて,コロナによるテレワーク普及によって住宅,オフィス,商店などの立地や需要がどうなるのかはまだ明らかになっていません。また,昨年末から急に増税や国債の発行が取り沙汰されていますが,これも住宅の資本コストに直接影響を与えますので,十分に検討する必要がありますね。また,子育て支援として様々な施策がでてきています。どうやら,東京23区から地方へ移住した場合、子ども1人につき100万円を補助することになるようです。対して,東京都は18歳以下の都民に1人あたり月5,000円程度の給付をするようです。一体,どこで住むのが良いのか本当に難しくなってきました。

 こうなったら,異次元の不動産市場分析をやるしかないですね。タスの皆さんも頑張ってください。

浅田 義久
浅田 義久
日本大学 経済学部 教授 [経歴]上智大学大学院経済学研究科博士前期課程修了 三菱総合研究所、明海大学等を経て、現職 [専門]経済政策、財政・公共経済
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