世田谷区の設備付帯割合
サマリー
- 付帯割合だけ見ると『エアコン』や『給湯』などの生活に必要な設備が上位に
コロナ禍以前と比べると『インターネット対応』や『インターネット使用料無料』など、ネットワークインフラ設備の割合が増加傾向
- 新築マンションで限定すると、ネットワークインフラに加え、宅配ボックスやセキュリティ面の設備が増加傾向
■世田谷区の設備付帯割合
東京都世田谷区の2022年11月に募集のあった賃貸物件を対象に、設備付帯割合をランキング形式で並べてみました(図1)。
付帯割合とは、読んで字のごとくその設備が物件に付帯している割合です。
図1 世田谷区設備付帯割合 (2022年11月)
当然ながら、『エアコン』や『洗濯機置き場』、『給湯』などの生活に必要な設備の付帯割合が高い結果となりました。
※『トイレ』(7位)や、2011年以降にすべての物件で設置が義務化された『火災警報器(報知器)』(37位)のように、設置が必然すぎるような設備に関しては、入力漏れにより付帯割合が低くなっている可能性があります。
■付帯割合が増加している設備
時系列の変遷を見るために、コロナ禍以前(2018年11月)から増加した上位10設備も見てみます(図2)。
図2 世田谷区 付帯割合増加設備(vs 2018年11月)
『インターネット対応』や『インターネット使用料無料』など、ネットワークインフラ設備の割合が増加していることがわかります。
また、『宅配BOX』が増えていることは想定していたのですが、全体だとまだ25%くらいしか付帯していないのは意外です。
■新築マンションの付帯割合が増加している設備
以上のランキング表は、すべての条件(築年や面積など)を一緒くたにしたデータを基に作成されています。
そこで次は、新築マンションのみのデータで、同様のランキングを見てみましょう(図3)。
図3 世田谷区 付帯割合増加設備(vs 2018年11月)-新築マンション-
新築マンションに限定した場合、ネットワークインフラ設備の割合が増加していることは一致していますが、その変動幅が全体(図2)と比べてかなり異なります。
また、『宅配BOX』は2018年11月時点でも8割の物件で付帯されていましたが、2022年11月には94%にまで昇りました。
さらに、『防犯カメラ』や『モニター付きインターホン』など、セキュリティ面の設備も増えてきていることが分かります。
★おまけ 特記事項
不動産募集データには、設備以外にも「特記事項」という属性があります。
特記事項には『ペット相談』や『学生限定』などがあり、設備が住宅のハード面の条件だとすれば、特記事項はソフト面の条件と解釈していただければと思います。
ということで特記事項についても新築マンションのランキングを見てみましょう(図4)。
図4 世田谷区 付帯割合増加特記事項(vs 2018年11月)-新築マンション-
「IT重説」は不動産の契約時に必要とされる重要事項説明を、リモートで行えるという制度ですが、賃貸契約では2017年10月より運用が可能でした。つまり、コロナ禍のリモートワークの浸透が「IT重説」の運用に拍車をかけたということがうかがえます。
そのほかにも『フリーレント』や『非喫煙者限定』などの物件も増えてきています。
★おわりに
今回は世田谷区の設備付帯割合をランキング形式で見てみました。
結果から、世田谷区ではネットワークインフラ設備の割合が大きく上昇していることが分かりました。
また、新築マンションで条件づけた場合には、ネットワークインフラに加え、宅配ボックスやセキュリティ面の設備が増えてきたことが分かりました。
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