人流データから見る不動産市場
弊社のカスタマイズ分析サービス「ANALYSTAS」では、GIS「地理情報システム」を用いて、不動産市場の地域特性を可視化するレポーティングサービスを行っています。
今回は、人流データを活用をテーマに、サンプルレポートと併せて分析事例をご紹介します。
図1 サンプルレポート 千葉県船橋市【平日・日中】
図1のサンプルレポートは、千葉県船橋市における人流を、地図上にヒートマップで表したものです。人流が多い地域を暖色系、人流が少ない地域を寒色系の色合いで表現しています。また、市内で最も人流が多いエリアを点線の枠で示しています。
船橋市の平日・日中に最多人流エリアはJR・東武の「船橋駅」と「京成船橋駅」のある一帯が該当します。2023年の地価公示価格(商業地)では千葉県内で第2位の順位となっており、商業ビルやオフィスビルが立地する、繁華性の高い地域となっています。
同市内のJR・東京メトロ「西船橋駅」は乗降客数が県内第1位を誇る駅ではありますが、人流は船橋駅周辺に一歩及ばず、繁華性としてはやや劣ることがデータから読み取ることができます。
図2 サンプルレポート 千葉県船橋市【休日・日中】
続いて、休日・日中のサンプルレポートを図2に示します。最多人流エリアは平日と変わらず船橋駅周辺でした。休日は閑散とする都内オフィス街とは異なり、曜日を問わず一定の人流が見られることが、県内中核市「船橋」の特徴と言えるでしょう。
一方、平日よりも人流が大きく増加したエリアとして「船橋競馬場」周辺「新船橋駅」周辺に一帯が挙げられます。双方に共通することは、大型ショッピングセンターなど集客施設が立地していることです。休日にレジャーとして訪れる人々が人流増加に大きく寄与していることが分かります。また、東葉高速鉄道沿線一帯は、平日に比べて休日の人口が一定数増加していることが読み取れます。平日勤務のオフィスワーカーが集住するベッドタウンとしての地域特性がよく表れています。
人流データを活用した分析についてご紹介しました。人流データを可視化することで、どのエリアが不動産市場としてのポテンシャルが存在するのか、把握することができました。事例では、日中の人流について分析しましたが、「日中」と「夜間」の比較など、時間帯別の分析を行うことで商業不動産の集客力などを把握することも可能です。
不動産マーケット分析「ANALYSTAS」では、不動産にまつわる様々なデータ・分析サービスを展開しております。ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。