相続市場の今後と不動産相続から派生するビジネスチャンス
総務省統計局『1.高齢者の人口』(2018年)によれば、日本の総人口は2008年をピークに減少傾向にあります。一方で、65歳以上の高齢者人口は増加し続けています。
このような高齢社会で注目されているのが相続資産市場です。たとえば、税理士事務所や弁護士事務所で、「相続資産市場からヒントを得てビジネスへつなげたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、相続市場の現状と今後の見通しを踏まえて、税理士事務所や弁護士事務所のビジネスチャンスにつながる不動産相続について解説します。
出典:総務省統計局『1.高齢者の人口』(2018年)『1.高齢者の人口』(2021年)
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相続市場の現状と今後の見通し
高齢化が進むなかで、“相続”や“贈与”などの言葉をよく目にするようになりました。
国税庁『令和2年分相続税の申告事績の概要』によると、2020年の相続税の課税件数割合は8.8%と過去最高を更新しています。
▼課税割合の推移
画像引用元:国税庁『令和2年分 相続税の申告事績の概要』
また、相続財産の課税価格と税額も年々増加傾向にあり、2020年度の調査では16.4兆円で、こちらも過去最高額を更新しています。
▼相続税の課税価格・税額の推移
画像引用元:国税庁『令和2年分 相続税の申告事績の概要』
相続財産の内訳を見ると、2020年度の調査では土地が34.7%と最も多く、次いで現金が33.9%、有価証券が14.8%と続いています。
▼相続財産の⾦額構成⽐の推移
画像引用元:国税庁『令和2年分 相続税の申告事績の概要』
土地の34.7%と家屋の5.3%を合わせると、不動産関連の相続だけで40%という大きな割合を占めています。相続財産の金額構成において、土地が占める割合は徐々に低下する一方で、土地や家屋を相続する人は依然として多いことが分かります。
総務省統計局『1.高齢者の人口』(2021年)によれば、2021年9月15日の推計で65歳以上の高齢者は3,640万人と過去最多となっています。さらに、総人口に占める割合は29.1%と世界最高です。高齢者の割合は今後も上昇を続け、2040年には35.3%に到達すると推測されています。
日本の高齢社会がこれからも長く続くことや上記で説明した相続市場の現状を踏まえると、今後も相続市場は拡大していくと考えられます。
出典:総務省統計局『1.高齢者の人口』(2021年)
不動産相続人の悩みと相続市場における需要
前述したように、相続財産の金額構成比で40%と大きな割合を占めるのが土地や建物の不動産です。このことから高齢社会の日本では、親族が亡くなった際に不動産を相続する人が今後も増えていくと予想できます。
不動産の相続方法はいくつかありますが、場合によっては、相続人同士の意見がまとまらないとトラブルに発展することもあります。相続人が抱えやすい悩みとして、以下の例が挙げられます。
- 相続財産のうち不動産だけを売却できるのか
- 相続した不動産を売却した際の税金
- 売却した際の税金の計算方法
- 相続放棄を行う場合にどのような手続きを踏めばいいのか
- 現物・代償・換価といった遺産の分割方法
不動産の相続に関する悩みはさまざまあるため、権利調整や試算の組み換え、不動産評価調査、生前対策などの相続コンサルティングには高い需要があると考えられます。
一方、税理士事務所や弁護士事務所にとっては大きなビジネスチャンスであるともいえます。不動産相続の手続きに携わる税理士や弁護士の新たなビジネスとして、積極的に不動産の相続市場への参入を検討してみてはいかがでしょうか。
税理士事務所が売り上げを伸ばす方法はこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
今回は、相続市場について調べている方に向けて以下について解説しました。
- 相続市場の現状と今後の見通し
- 不動産相続人の悩みと相続市場における需要
長期にわたり高齢化が続く日本では、今後拡大が予想される相続市場において、新たなビジネスを展開できるチャンスがあると考えられます。
なかでも、相続財産で40%の割合を占める土地や家屋に関しては、相続や売却、不動産活用などのコンサルティング需要が増えていくと予想されます。
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