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世田谷区の設備付帯割合 2024年11月版

 2023年掲載のコラム「世田谷区の設備付帯割合」では、東京都世田谷区の2022年11月に募集のあった賃貸物件を対象に、設備付帯割合を調べました。設備付帯割合とは、対象期間に募集された全物件の中で設備が付帯する物件の占める割合です。
 今回は、前回から2年後である2024年11月時点の賃貸物件情報から、世田谷区の設備付帯割合を見ていきたいと思います。

もくじ[非表示]

  1. 1.世田谷区の設備付帯割合
  2. 2.設備付帯割合が増加している設備
  3. 3.新築マンションの設備付帯割合が増加している設備
  4. 4.おまけ 特記事項
  5. 5.おわりに


世田谷区の設備付帯割合

 東京都世田谷区の2024年11月に募集のあった賃貸物件を対象に、設備付帯割合をランキング形式で表1にまとめました。※1
 
青色で表示した項目が前回(2022年11月)より増加、赤色で表示した項目が前回より減少した設備となっています。

表1 世田谷区 設備付帯割合 (2024年11月)

 また、参考までに前回のランキングを表2に掲載します。

表2 世田谷区 設備付帯割合 (2022年11月)

 上位40項目について、ほとんど顔ぶれは変わっていません。いくつか付帯割合が減少している項目も見受けられますが、全体的に5%程度の割合増加がありました。また、『モニタ付きオートロック』や『防犯カメラ』など、安全性を高める設備が新しくランクインしています。

設備付帯割合が増加している設備

 前回から付帯割合が増加した設備の中でも、特に増加幅が大きい上位10項目を表3にまとめます。

表3 世田谷区 付帯割合増加設備 (vs 2022年11月)

 『追焚機能』や『温水洗浄便座』、『システムキッチン』など水回りの設備が充実していることがわかります。
 また、前回注目した 『宅配BOX』についても順調に割合を伸ばし、32%となっています。再配達による配送コストの削減や労働力不足対策などから、国や一部の地方自治体では設置が補助金の対象となっていることが関係していそうです。

新築マンションの設備付帯割合が増加している設備

築12 カ月未満の新築マンションのみを抽出して、表4 にまとめます。

表4 世田谷区 付帯割合増加設備 (vs 2022年11月) -新築マンション-

 表4 とも共通する『追焚機能』のほかに、『三口以上コンロ』、『エアコン2 台以上』などと
いった、単身向けというよりはファミリー層・DINKs 層※2 向けの設備を備えた新築物件が増えていることがわかります。テレワークの普及によって、大きい間取りの物件需要が増加していることの影響も考えられます。
 さらに、『人感センサー付照明』や『ディンプルキー』の増加からは、セキュリティ強化の傾向が見て取れ、防犯性能の高い設備が標準化しつつあることがわかります。

おまけ 特記事項

 不動産募集データには、設備以外にも「特記事項」という属性があります。
 付帯設備が物件の機能であるのに対して、特記事項には『ペット相談』や『学生限定』などがあり、物件の運用面や契約条件・注意事項に関する補足的な説明だと言えるでしょう。貸主の意図や物件の運用方針が色濃く反映されるため、生活感用の変化や価値観の変遷を読み解くうえで、付帯設備と同様に重要な指標となっています。
 新築マンションの特記事項について、特に変動幅が大きい上位10項目を表5にまとめます。

表5 世田谷区 特記事項増加項目 (vs 2022年11月) -新築マンション-

 『二人入居可』や『常時ゴミ出し可能』、『ペット相談』など、多様な世帯構成・ライフスタイルに対応する貸し手の姿勢がわかります。DINKs層やカップル・友人同士でのシェアといった需要の高まりや、コロナ禍を通じて衛生面の配慮や在宅時間の長期化が進んでいることにより、設備・運用面の改善を後押ししている背景があると推察できます。

おわりに

 今回は、世田谷区の2024年11月時点の賃貸募集データから設備付帯・特記事項を見ていきました。
 その結果、2022年11月時点と比較して、水回りや生活利便性・防犯性に関わる設備の割合が増加していることがわかりました。これらは、共働き世帯や在宅時間の増加といった生活様式の変化に対応した設備の標準化が進んでいることを示唆しています。今後も社会的な背景を反映していくことで、賃貸住宅の設備トレンドは変化していくことが予想されます。


※1 『トイレ』のような設置が標準化しているような設備に関しては、入力漏れにより付帯割合が低くなっている可能性があります。
※2 DINKs層…共働きの二人世帯
※ 使用データ期間:2022年11月~2024年11月


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